【 親&子どものサポートを考える会】 精神に障がいのある親と暮らす子どもを支える取り組み

活動紹介

精神に障がいのある親と暮らす子どもを支える取り組み

■概要

 精神に障害のある親と暮らす子どもは、親の病気の説明を受けていないことが多く、何が起こっているのかわからない状況の中で、誰にも相談することができずに困難を抱えていることが多くあります。また、障害のある親も障害に対する社会の偏見や、養育できない親と思われるのではないかという不安から支援を求めない傾向があり、こうした環境下で育つ子どもが健全に育つためには、親子が支援を求めやすい環境作りが必要となります。

 親&子どものサポートを考える会では、研究として実施した子どもへのインタビューの結果を基に、支援へと発展させています。

 社会から孤立しがちで自ら支援を求めることが少ない親・子が、「こんなことで困っている、助けて欲しい」と言えるためには、日頃から親・子に関心を寄せ見守る人の存在が必要だと考え、身近に存在する学校の教員・民生(児童)委員・行政や保健機関のスタッフなどを対象に、そういった親子への理解を図る「支援者研修」を実施しています。

 また、こうした親支援・子ども支援に取り組む機関は全国的にも少なく、制度的な支援対象に該当しない“精神に障害のある親の子ども”の支援は、各々が試行錯誤しながら実施しているという現状があります。そのため、親支援・子ども支援を実施している機関が集まり、他機関の実践から学び、何ができるかを考える「学習会」の開催も行っています。

 さらに、話を聞いて欲しくても親から期待した反応が返らないなど、これらの子どもは、親から認められた感覚を持ちにくく、自分の感覚はズレていないかと不安に感じたり、自分に自信を持てないなど生きづらさを抱えることが多くあります。これらの子どもが同じ境遇の仲間と知り合い、思いを語り合う場として「子どもの集い・交流会」を毎月実施しています。こうした語りの場は全国的にも少ないため、年1回交通の便の良い地で「全国版 子どもの集い」を開催し、子どもが安心して知り合い、繋がることができる場を提供しています。

■成果

 平成28年度について、「支援者研修」には毎回、定員を超える申し込みがあり、参加者は計106名でした。参加者からは「子どもの支援の手立てとして参考になった」「親のできない理由がわかった」との声が寄せられ良好な反応を得ているとともに、この研修が支援者のサポート、他機関連携の場にもなっています。また、支援機関の「学習会」は、全国各地から39名が参加、こちらも支援者間のネットワークづくりの貴重な機会とすることができました。「子どもの集い・交流会」には計95名が参加し、その場で得られる、同じ境遇の仲間に支えられる体験は、「自分らしさを大事にしていいんだ」と自分を認めることや自己の気づきにも繋がっているということが分かりました。

 本会の特徴である、子どもの声(ニーズ)を聞きながら、それに基づいた実践を行っているという点が、一方的な支援ではなく、対等な関係性を保ちながらの支援を実現しており、また、こうした取り組みを実践している機関が少ないため、それらを繋ぐネットワーク作りの中心にもなっています。これまで着目されてこなかった“精神に障がいのある親と暮らす子ども”への支援として、2013年には第9回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)-支援者部門-を受賞するなど、評価を受けています。

■URL
親&子どものサポートを考える会