【名張市(三重県)】名張版ネウボラの推進

活動紹介

名張版ネウボラの推進

■概要

 少子高齢化、地域社会の互助機能の低下、虐待報告数増加がある中、母子保健はハイリスクアプローチのみでなく、妊娠期からポピュレーションアプローチの視点で、心身の疾病の早期発見や虐待防止に取り組む必要があります。

 三重県名張市では、地域診断や、母子保健事業の妊娠届出時調査の結果を踏まえ、子育て家庭を中心とした切
れ目ない支援体制の構築を進めています。

 「名張版ネウボラ」は、平成26年4月より始まった、産み育てるにやさしいまち“なばり”をめざす妊娠・出産・育児の切れ目ない相談支援のための名張市独自のシステムです。潜在している支援を必要とする子育て家庭の発見と早期支援により虐待の発生防止に努め、すべての子育て家庭が身近な地域の中で健やかに育ち、シニア世代と共に社会に貢献できるような「健康なまちづくり」への好循環をめざすことを目的としています。

 母子保健の重要性の再認識と、部署・職種を超えた課題整理より、既存の制度や資源を再構築するとともに、必要な支援を産みだすために得た推進の形です。また、医療機関や地域住民も含めた多職種多機関による重層的セーフティーネットワークと妊娠期からの相談・支援各事業の総称でもあります。

 具体的な取組は、まず「身近なところでの寄り添いのしくみ」です。小学校区15の地域づくり組織に身近な相談場所・人(チャイルドパートナー)を設置しました。市保健師のコーディネートにより、従来の母子保健事業やチャイルドパートナー相談、地域の保育園や地域づくり組織による子育て広場、また、ハイリスク支援マネジメントを連動させました。次に「産前産後ケアの体制」です。「子育てプランの提案」「生後2週間目全戸電話相談」「子育て支援員研修」など、14の新たな事業を、ニーズ調査を基に様々な主体と展開しています。個人・家族・近所・地域・提供者のエンパワーを高め、地域のソーシャルキャピタル醸成を図ります。

■成果

 チャイルドパートナーの個別面接数は年間約700件、産後ケア事業は計235回993組の利用があり、身近な相談場所とコーディネートによる利用者が増加しています。利用者からは、

「産後すぐに電話をもらい相談して、助産師の声を聞いたら涙が出るほど安心した」

「聞いてもらうことで、何に悩んでいたのか、どうしたいか整理できた」

「ひとりで子どもに向き合う時間は長いが、一緒に子どもを見てくれるチャンスがたくさんある安心感は大きい」

などの声が届いています。

 また、医療機関や助産師会とのネットワーク強化による社会的ハイリスク妊産婦の発見と要支援家庭の顕在化が可能になり、早期の相談支援体制がとれるようになりました。さらに、子育て支援員研修には、平成27年~29年の間で390名が参加し、支援員として活動している人も111名にのぼり、地域組織等関係機関の主体性の強化と参画が可能になりました。そして、「妊婦応援都市宣言」(平成29年12月)につながりました。

■URL
名張版ネウボラ~妊娠・出産・育児の切れ目のない支援~
総務省 地域力創造プラットフォーム 名張版ネウボラ