【特定非営利活動法人 ぎふ多胎ネット】地域で多胎家庭を支えよう ~当事者と医療・行政・教育機関の連携による虐待防止~

活動紹介

【取り組みの背景と対象者のニーズ】

多胎家庭は妊娠中から多胎妊娠・出産・育児に関する情報や他の多胎家庭と交流する機会も得にくく、孤立しやすい。産後も母体回復の遅れや2人以上の乳児の世話で外出困難となり孤立しやすい。また多胎であるため早産で低体重児になりやすく育てにくい児を2人以上育てることになるため育児困難にも陥りやすい。このため多胎家庭の虐待発生率は単胎家庭の3〜5倍と言われており、特別な支援が必要とされている。多胎家庭へのアンケート調査でも多胎妊娠・出産・育児に関して「情報がほしい」「相談できるところや気持ちがわかってくれる人がほしい」「同じ立場の子育て仲間がほしい」「家族に理解してほしい」「地域や周囲の人に理解してもらい助けてほしい」という声が挙がった。

【事業の目的・概要・効果】

こうした多胎家庭のニーズに応え、子育てしやすい環境作りをすることで児童虐待防止を図ることを目的に、妊娠期からの多胎家庭に切れ目なく必要な支援を提供したり、多胎家庭の現状を社会に発信したりするため、保健行政や医療機関など関係機関と連携しながら以下のような事業を行なっている。こうした取り組みは29年度の厚生労働省の「調査研究報告」や『保健師ジャーナル』12月号で先進事例として全国に紹介された。

《情報提供・相談先の獲得・家族の理解に関する取り組み》

・多胎プレパパママ教室…多胎に特化した妊婦家族教室で県からの委託事業。多胎
妊娠出産の基礎知識と先輩家族との交流会から成る。家族が多胎妊娠出産のリスク
を正しく理解することで安全な出産に導く。助産師・保健師・子育て支援者など多
胎家庭の支援に当たる関係者が一堂に会すため、参加者にとって相談窓口の獲得に
もつながっている。

・病院サポート…入院中の多胎妊婦を定期的に訪問する活動で医療機関からの委託事業。出産がゴールとなりがちな多胎妊婦が産後の多胎育児のイメージを獲得する機会となっている。
・ピアサポート訪問…妊娠期から育児期を通して多胎家庭を多胎育児経験者のピアサポーターが訪問して相談に乗るもの。特に出産後の外出困難な時期に授乳や沐浴など具体的な多胎育児のスキルが聞ける機会になっている。
・赤ちゃん訪問の同行…出産後の多胎家庭を保健師と共に訪問するもの。ピアサポート訪問と同様の効果の他、保健師が多胎育児について学ぶ機会になっている。
・健診サポート…健診会場でピアサポーターが介助するもの。外出や移動が困難な多胎家庭にとって、未受診率を下げる効果がある他、子育ての相談にも乗ることで育児困難感の軽減を図ることができている。

《子育て仲間作りに関する取り組み》

双子を託児する中学生

多胎育児教室…未就園児の多胎親子を対象とする子育て教室。テーマを決めた親同士
のグループトークにより、地域の子育て仲間が獲得できている。これを中学生の保育
体験とコラボさせ、思春期の性教育と次世代育成も図っている。
              
《社会への発信に関する取り組み》

多胎育児などのスキルをまとめた冊子や多胎家庭の現状と必要な支援をまとめた『多胎家庭白書1・2』などを刊行。保育士・保健師・行政向けの多胎に関する研修プログラムも持ち、地域の多胎支援のボトルアップとなっている。

【今後の展望】

先進事例として紹介されたことで、全国から見学者が訪れるようになったり県外からの研修会参加者も増えた。今後は全国の多胎支援者をサポートし、多胎支援のボトムアップを図りたい。また、中学生の保育体験実施の地域を拡げてマイノリティ家庭への理解を拡げ、誰もが子育てしやすい社会を目指していきたい。

■URL
ぎふ多胎ネット
取組概要「地域で多胎家庭を支えよう ~当事者と医療・行政・教育機関の連携による虐待防止~」